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   Inside MAX  −選手権2008 「頂上へ」 Vol.3



準決勝 Vs.パラ神奈川戦.選手はいつになく落ち着き,
そして熱い闘志をたぎらせていた.


取材を受けるレオ.
今大会,4試合で154得点をたたき出した
彼への取材はひっきりなしに続いた.


取材を受ける岩佐監督.後方では妻の美保子が戦う夫の背中を見守る.
左はスポーツライターの宮崎記者.ずっとMAXの戦いを追ってきた宮崎記者にとって,今大会のMAXの戦いはどのように映ったのだろうか.


2008年5月4日 −選手権最終日−

朝7時15分.ホテルのレストランフロアの一角に集まったMAXのメンバー.すっかり恒例となった朝の体操の時間.この習慣がはじまったのは,2004年の青森で行われた国体予選からだ.あの頃は朝早く起きるだけでかえって調子が悪くなる,というくらいの反応だったが,今ではすっかり「いつもの風景」になっている.

 冗談をいいながらストレッチで体をほぐし,朝食をとる.何をどのくらい食べれば調子がよいか,もう個々人でわかるようになった.それぞれのペースで調整がすすんでいく.

8時30分.いよいよホテルをチェックアウトして,決戦の場へ.少し肌寒いが,今日はきっと晴れるだろう.体育館に到着し,粛々と準備をすすめる.まるで,ちょっと久しぶりに練習にきた体育館にいるような感覚.そこには変な昂ぶりはなく,あるのは心地よい緊張感だけだ.

9時20分.準決勝に向けたアップ開始.いつもここにたどり着くまでに,たいてい誰かがケガをしているか,えらく疲労がたまっているかのどちらかだが,十分な食事とサプリメントのおかげで,みんなの顔色は良く,動きも軽い.あとは30分後のタップオフに向けて,選手を一番いい状態に仕上げていくだけだ.

 試合前のミーティング.岩佐からの指示が飛ぶ.昨年はこの準決勝でわずか1ゴールに涙を飲んだ.もう二度とあの悔しい思いはしたくない.絶対にセンターコートに駆け上ってみせる.

 下馬評では有利なMAXであったが,相手チームの立場から見て一つつけいる隙があるとすれば,それは心のコントロールを失わせてしまうことだ.きわどいファールやトラッシュトーク.そういう挑発にのってしまったときに,一気にチームは制御不能となってしまう.

 しかし,もうそういう揺さぶりに屈するチームではない.東海林は言った.「相手と対話するな.自分達のチームの中で会話するんだ.」

 

準決勝 対 パラ神奈川戦

9時50分.MAXのスターティングラインアップは,C向後,H中澤,I東海林,J藤井,Lレオ.タップオフで負けたことのないレオはこの試合でも最初のオフェンス権をがっちりと獲得.すぐさま中澤がインサイドに切れ込み,ゴール下シュートをねじ込む.試合開始のご挨拶だ.

 第1Qは文字通り一進一退の好ゲームとなった.レオがファストブレークであっという間にゴール下シュートを決めたかと思うと,パラ神奈川も精度の高いミドルシュートで応戦.互いに譲らぬ展開で,このクォーターを18−18のイーブンで終えた.

 第2Q.パラ神奈川はメンバーを代えてきた.立ち上がり早々,レオのアウトサイドシュートがゴールを射抜く.それが始まりの合図だった.続けて左サイドから向後が魂のミドルシュートを沈める.レオが外に中に自在にパラ神奈川のディフェンスをかいくぐり,次々に加点.残り5分で10点差をつける.さらにここからカウントプレスを開始.ノンカウントでもいったんひいてハーフからプレスをかける新しいディフェンスパターンでパラ神奈川のコントロールを徐々に奪っていく.前半は42−30のMAXリードで折り返す.

 

 第3Q.レオへのマークが一層厳しくなる.そんなときこそ中澤の出番だ.リングに嫌われてもくじけずインサイドをとりに行き,そしてシュートを放つ.後半に入ってアウトサイドシュートの精度が落ちてきたパラ神奈川.リバウンドはことごとく中澤とレオの手の中に納められていく.

 しかし,その中澤が,第3Q終了間際に立て続けに3つのファールを犯す.嫌な空気になりかけたチームを救ったのはD高橋のブザービーター!!61−40と,さらに点差をつけて最終クォーターへ.

 第4Q.このまますんなり終わらせるものかと,パラ神奈川もプレスで反撃.一時は外れていたアウトサイドシュートも再び決まりだし,最大23点差あったリードは13点差にまで詰められる.監督の岩佐はタイムアウトを取り,プレスブレークを指示.再開早々,目が覚めたかのように走り出すMAXの面々. D高橋の鮮やかなレイアップで突き放しにかかるが,パラ神奈川も土屋の3ポイントシュートで追いすがる.互いに必死だ.たとえ勝敗はひっくり返らなくても,それぞれの次の戦いにつなげるために.

 岩佐の声がコートに響く.「ファールで終わるな.しっかり終われ!」 それは,準決勝の勝利のためではなく,センターコートでの戦いのための檄だった.最終スコアは82−65.今大会のハイスコアをマークして,堂々の決勝進出を果たした.

 隣のコートではやはり千葉ホークスが勝ち名乗りを上げていた.

舞台は整った.

 

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